日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2018年05月07日ダニエル太郎選手がATP250イスタンブール大会でツアー初優勝!

ダニエル太郎選手がATP250イスタンブール大会でツアー初優勝!

ダニエル太郎   7-6, 6-4  マレク・ジャジリ

海外の実況でみていましたが、優勝した時「日本にとって素晴らしい瞬間だ。25才のダニエル太郎が激戦をものにしATP初タイトルを手にしました!」 そう、日本テニスにとって最高の瞬間だった。 松岡修造(過去の人)、錦織圭選手、杉田祐一選手についで日本人として4人目のATPツアー優勝。 これまでのダニエル太郎選手の頑張りをみてきましたが、家族の皆さん、コーチ陣、スタッフに心からおめでとうと言いたいです。 

ダニエルの頑張りはまさに太郎だった!

◆誰よりも踏ん張っ太郎! 
太郎はとにかく辛抱できる。ジュニアの頃にスペインに渡り赤土のテニスを身に付けただけあって、しぶとさは日本人一。 今大会は得意の踏ん張りのなかで、特に競った場面、準決勝、決勝でも、このポイントを取られると危ない…!そんな時、太郎はしぶとかった。

◆誰よりも走っ太郎!
太郎はよく走る。伸長190センチ。僕のなかではツアー1走る男だ。 どんなボールも最後まで諦めずに走る姿は心をうたれる。 今回も走った分だけ、太郎は輝いていた!

◆自分を信じれ太郎! 
太郎は不思議な捉え方をする。 個人的に様々な意見を言わせてもらっているが、太郎は僕がよく言っている言葉「できる!」「信じてる」を一番信じていないようだった。 「自分を信じることはとても難しい。だから「できる」「信じてる」と言われることがあまり好きではない」、そう言っていた太郎だったが「自分のテニスを進化させるには」と考えに考えた末、昨年、長年共にしてきたスペインのコーチに別れを告げ、日本のナショナルコーチとツアーをともにするようになって変わってきた。 今まで太郎が口にしてこなかった「自分を信じれるようになった!」「できると思います!」そんな言葉が出てきたのだ。今大会、太郎はより自分を信じる力を信じることができたはず。

◆いつも自分を冷静に見れて太郎!

太郎は自分自身との対話を大切にしている。自分の心の声を常に聞いている。いいことも悪いことも…。決勝前もかなりナーバスになっていたようだが、試合後のインタビューで「相手もナーバスになっているだろうと自分に言い聞かせて戦っていたので、次第に落ち着いてゲームをすることができた」、「優勝できたのはちゃんとしたプロセスがあったからだと信じている。」と言っている。常に謙虚で冷静な太郎らしい言葉だ。

◆体幹トレーニングの賜物だっ太郎!

もっと体を大きくしなければと食事にも気を使っているが、なかなか体重が増えない。だからこそしっかりと体幹をつけ、下半身を強化し耐久力を上げるために、いいと思われる体幹トレーニングを常に取り入れている。バランスを崩した中でもしっかりと打ち返せる力は日ごろのトレーニングの賜物だ。たぶん日本人選手の中でも誰よりも体幹トレーニングをしているのだろう。太郎は積み重ねをしっかりとできる選手なのだ。

◆テニスが前向きになっ太郎! 
今までの太郎のテニスは超守備型テニスだった。 長身にも関わらずコートの後ろに構え、審判台に当たることも度々。その彼がベースラインをベースにプレイしていた。ネットについたり攻撃的なテニスをするように変化した。 今までの守備から攻撃も備わったオールマイティー太郎になった。 

◆かっこよかっ太郎 !
男の僕から見ても太郎はカッコいい。 個人的には福山雅治さん似。容姿だけでなく性格も良く、優しいまさに好青年だ!さらにはスペイン語、ポルトガル語、英語を流暢に話す太郎ですが、僕は日本語を話している太郎が一番好きです。難しい感情を日本語で表現しにくいのであれば英語で答えたらどうかと周りに言われた時に、彼は「僕は日本人なので日本のメディアには日本語で答えたい!」そういうところが太郎らしい。実は、僕は現役中、恥ずかしながら女性雑誌『CanCam』の連載をやらせてもらっていた。 太郎も間違いなく女性雑誌で連載を持てる逸材だ!

◆ダニエル太郎がウルトラマン太郎を越えた!
太郎の良さは体力があること。ウルトラマンのように短い時間しか戦えない訳ではない。 まさに今大会は、ウルトラ体力太郎だった !

◆できる太郎!
太郎の所属スポンサーとして「エイブル」が長年サポートしていただいている。 まさに、太郎はできる!そんな言葉がぴったりの選手になった!できる太郎が、できた郎!に。

◆もっともっと進化する太郎!
僕は前から太郎には勝手なことを言わせてもらっているが、太郎のテニスはもっともっと良くなる。 僕よりも高い身長から放つサーブ。もっともっと威力があっていい。 残念ながらスペインで学んだサーブの考え方は、ストローク中心に捉えた使い方。サーブを軸にプレイする型を覚えたらとんでもない選手になる。ストロークももっともっと進化できる。より空間を使って、ループボールとはやいボールを混ぜることができたら相手は太刀打ちできない。

とにかく、幸せな日となった。
これから全仏オープンも控えている。太郎の出番だ!

おめでとうダニエル❗

ありがとう太郎❗

そして今回掴んだ自信を武器に太郎ならできる!

松岡できる造