日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2011年08月18日報道ステーション 無名から一転メダル候補~田中理恵選手の急成長の秘密

ロンドンオリンピックまで、いよいよ1年を切りました。

今回取材させていただいたのは、今注目されている体操の田中理恵選手、24歳。

1年前まで無名だった理恵さんが、今ではロンドンオリンピックのメダル候補と言われるまでに急成長!

その秘密を探りに行きました。

 

女子体操は、「床」「跳馬」「平均台」「段違い平行棒」の4種目を行い、

技の難度を評価するDスコアと、技の出来栄えや美しさを評価するEスコアの合計点で競います。

理恵さんの持ち味は、技の美しさとその表現力。

2010年10月に開催された世界選手権では、最も美しい演技をした選手に贈られるエレガンス賞を受賞しました。

ただ、美しさだけでは勝てないのが体操。技も必要です。

そこで、今年から挑戦しているのが、段違い平行棒の「マロニー」という大技。

何度も何度も繰り返し練習して習得した「マロニー」を、今年4月の全日本選手権で初披露しました。

その結果、去年の4位から2位に見事上昇!

理恵さん、「美しさ」に加えて「技」も手に入れました。

 

しかし、ここまでくるには長い道のりがあったそうです。

元体操選手だったご両親の影響もあり、6歳から体操を始めた理恵さん。

順調に成長し、中学3年のときには全国大会で個人総合3位にまでなりましたが、

高校2年生のときに大きな壁が立ちはだかります。

それは、左足首の痛み。

体が思うように動かず、ちょっとした反抗もあって「高校のときは努力を見せるのが恥ずかしかった」という理恵さん。

何もかもがうまくいかず、体操への想いがどんどん薄れていったそうですが、

それでも理恵さんが体操をやめなかったのは、どんな状況でも温かく見守ってくれたご両親がいたからです。

お父さんとお母さんは、よく我慢されたなと思いますね。

「ふざけるんじゃない、理恵。今までやってきて、体操頑張らなきゃ」って言えたはずです。

僕なら言ってます、確実に。

それを「今ここを乗り越えたら絶対大丈夫だから」と、いつもやさしく見守ってくれていたそうです。

そのご両親の愛情がきちんと伝わっていたんですね。

理恵さんは「両親への恩返しは、どんな大きい舞台でも小さい舞台でも、自分の最高の演技をすることだ」とおっしゃってました。

 

だからこそ、理恵さんはもう一度体操と真剣に向き合うため、大学2年生のときに手術を決意。

手術後は、痛みもなく、毎日コンスタントに練習できることに喜びを感じたそうです。

そして、段々うまくなっていく自分が分かるようになってから、理恵さんの体操が一気に変わったんだとか。

良い意味で遠回りしたことが、今の理恵さんをつくっているんだなって思いましたね。

 

今回初めて理恵さんにインタビューさせていただきましたが、いやー気持ちよかったです。

理恵さんの“笑顔”が。

お母さんがずっと昔から“笑顔”“笑顔”と言い続けていらっしゃったそうですが、

理恵さんが高校生のときには、その意味が分からなかったそうです。

でも、理恵さん自身が、自分の“笑顔”を見つけたことによって、彼女自身が変われたんだと思いますね。

それに周りの人までも幸せにする理恵さんの“笑顔”は最高の技です!

そして、理恵さんの武器である体操で、その“笑顔”を思いっきり表現できるのは素晴らしいですね。

 

今回の取材では、

笑顔の力、

あきらめないことの大切さ、

そして、信じることの大切さ、

などなど、ほんとにたくさんのことを教えていただきました。

ありがとうございました。

 

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田中理恵選手。

実は、日本女子代表の平均身長147cmに対し、理恵さんは157cm。

さらに、10代がピークと言われている体操選手の中で、23歳で初の代表入り。

と、異例なことが多いですが、でも、いい意味で遠回りしてきたからこそ得られた理恵さんの強みがあります。

ロンドンオリンピックでも、理恵さんの素晴らしい演技が見られるように期待しています!

 

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理恵さんが今年習得した「マロニー」という技は、世界でも使い手の少ない大技で、

バーの上に倒立した状態から、大きく前に回転し、低いバーから高いバーへと移動。

バーとバーとの間の距離は、なんと180cm!