日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2012年01月12日報道ステーション 内村航平選手~”世界に敵なし”の理由
今回取材させていただいたのは、今年7月に開幕するロンドンオリンピックでの金メダル最有力候補、体操の内村航平選手です。
内村さんは、2008年の北京オリンピックでは、個人総合で銀メダル、
2009年の世界選手権では金メダル、2010年の世界選手権でも金メダル、
そして2011年の世界選手権でも金メダル、と世界選手権史上初の三連覇を成し遂げました。
個人総合は、「ゆか」「あん馬」「つり輪」「跳馬」「平行棒」「鉄棒」という特徴が全く違う6種目の総合力を争うことから、チャンピオンには「King of Gymnast(体操の王様)」という最高の称号が与えられます。
この個人総合では、現在敵なしの内村さんですから、ロンドンで目指すのも、もちろん金メダルです!
「体操で一番大切にしている部分は?」と伺ったところ、「安定感」とのこと。
ただその「安定感」というのが、普通ではないんです。。。
「例えば今日は体調が悪いなという日でも、サラッと演技ができちゃうくらいの安定感。
寝起きでも「6種目やれ」って言われたらできるくらいの安定感」
というから、本当にすごい方です。
内村さんの最大の武器は、なんと言っても「着地」。
今回の世界選手権でも、ピクリとも動かない着地をことごとく成功させました。
着地は、1歩動くと減点0.1、両足が大きく動くと減点0.3です。
そのため、着地の失敗が順位を大きく左右してしまうのですが、なぜこんなにも完璧な着地ができるのか…
そこには、内村さんにしかできない「修正力」がありました。
もちろん内村さんには理想とする着地がありますが、人間なので毎回同じような着地はできない。
その毎回違う中でも着地をしっかり決めるために必要なのが「修正力」です。
内村さんは、バランスを崩して回転不足になったときでも、瞬時に判断し、
理想の着地と同じ状態にまで修正することができるんです。
そこがスゴイところですよね。
しかも、内村さんが世界選手権で見せた快挙は、個人総合だけではありません。
なんと「種目別」でも2つのメダルを獲得!
種目別は、1種目だけで得点を争うため、その種目専門のスペシャリストが集結し、
高難度の技が次々に繰り出されます。
そのため、6種目をこなさなければならない個人総合のオールラウンダーが、
種目別で勝つのは極めて難しいこと。
にも関わらず、内村さんの「ゆか」の演技は圧巻でした。
リ・ジョンソン(後方2回宙返り3回ひねり)という最高G難度の大技を国際大会で初披露し、成功させたのです!
しかも内村さんの回転が速すぎて、最初はミスジャッジされたほどでした。。。
「オールラウンダーなんですが、種目別のスペシャリストと同じくらいの演技構成ができるというのを見せたい」という内村さん。
ロンドンオリンピックの種目別について、
「自分の満足いく演技ができれば、間違いなく4つはメダルを獲れる」
という力強い言葉をいただきました。
「自分の限界に挑戦したい」んだそうです。
ロンドンオリンピックの種目別で狙うのは、「ゆか」「あん馬」「平行棒」「鉄棒」の4種目。
そこに、金メダル間違いなしと言われる「個人総合」と「団体」を合わせると、
合計6個のメダルが内村さんには見えているわけです。
しかも、内村さんの個人総合には、もっと驚く事実が…
それは、世界選手権の個人総合の結果は、2位以下を大きく引き離しての優勝でしたが、
内村さんには、まだまだ余裕があるということ。
それはなぜかというと、自分できる演技の5割程度の難度で構成しているからだそうです。
だから、リスクを負わない中での「金」なので、寝起きでも「金」という言葉が出てくるんです!
ロンドンオリンピックでは、さらに進化した内村さんが見られると思うと、今から楽しみで仕方ありません!