日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2015年01月24日【全豪オープン6日目】錦織圭選手 3回戦突破!!
全豪オープン3回戦。
第2シード、生ける伝説R・フェデラーが3回戦で破れた中、
次は誰が優勝候補から消えてしまうのか… みなの注目がシード選手に集まった。
組み合わせのボトムハーフの3回戦、
ジョコビッチ(1)、ワウレンカ(4)、ラオニッチ(8)そして錦織圭(5)。
錦織圭 対 スティーブ・ジョンソン(アメリカ)世界ランク38位
6-7(7-9),6-1,6-2,6-3 試合時間 2時間29分
ジョンソンはトップ10に勝ったことがなく、最高ランクも37位。
みな圭が断然有利と思っていたであろう・・・しかし、またもや簡単にはいかなかった。
ジョンソン、いつものジョンソンじゃないジョンソン!
サーブも強打、リターンも強打。どこまで攻撃するんだというくらい攻めまくる!
一方、圭と試合後話をした中で「序盤固かった…」と言っていたが、
今までの1,2回戦と比べるとしっかりと攻撃し、そして集中しているプレイに見えた。
では、何故圭は第1セット奪われたのか?
タイブレークの7-7からその答えがあった。
◇7-7で圭がダブルフォルト
今年強化したセカンドサーブ。“あまり攻められないセカンドサーブ”を目標に、
この1か月スピード、コース、回転、すべてにおいてリスクを負って打っていった。
その中でのトライだった。だからナイストライ!だ。
日めくりカレンダーの言葉をおくりたい・・・
失敗しても全然OK!
このダブルフォルトは大事な場面だが、試合中の「ここっ!」という場面で
リスクを負って打っていなかければ自分のショットにならない。
だからこそ・・・
次につながるいい意味での『失敗』だった。
そして7-8。ジョンソンセットポイントで…
スーパー剃刀スライス炸裂!
いつも以上の低い軌道、しかも浅いフォアへ。圭は思いっきりフレームショット…
ファーストセットはタイブレークの末、ジョンソンが勝ち取った。
◇第2セット、圭のメンタルが素晴らしかった。
乗りまくりジョンソンに対し、無理して強打することなく、
焦らずじっくりとポイントを重ね、早い段階でジョンソンサーブをブレーク。
その後のハイセンスアリーナは…
完全に圭ワールドへ。
ジョンソンのパワーを全く感じないくらい、圭が全てのショットの主導権を得てプレイ。
第2、第3、第4セットをなんなりと決めていく!
188㎝のジョンソンが圭よりも小さく感じた。
そして、サービスエース15本、ジョンソン8本!
この数字を圭にぶつけてみたら、かわいらしい笑顔とともに驚きをみせた。
“こんなとっているは思いませんでした…”
それくらいサービスがスムーズに打ててきている、自分のものになってきたということ。
最後は、ドロップショット含め、この大会初のスーパーゾーンに入る!
っん? スーパーゾーンに入ったと思っていたのだが…試合後の圭の言葉に驚かされた。
「最後は良くなりましたが、まだまだ自分のテニスには程遠い。」
!!!
圭にとっては、まだスーパーを付けてはいけないテニスだったのだ。
とんでもないレベルを目指して圭は戦っている!
最後に・・・
試合途中何故か、圭の後方にあるデカ顔写真が映し出された。
圭のファンが掲げていた写真。
俺だ、何故圭の試合に松岡修造なんだ!
正直、そいつを探して圭の試合を邪魔するな!と説教しに行こうと思っていたが、
その写真を見て強いメッセージが込められていることに気付く・・・
日めくりカレンダーの写真だった。
『苦しい時こそ笑ってごらん!』
(意味)辛いとき、苦しいときは笑顔になれない。でもそんな時こそ笑ってほしい。
笑顔になれば心も前向きになる。そうすることで心も体も「そうかな?」なんて勘違いして頑張る力や乗り切る力がどんどん湧き出してくるんだ!
まさに錦織選手、この大会に入ってから、相手が最高のプレイをして自分のテニスをなかなかさせてもらえない。3回戦も第1セットをとられ苦しい状況。
その中でも前向きに表現してプレイしていました。
全豪オープンを通じて新しい言葉ができました。
苦しいときこそ圭になってごらん!
ここハイセンスアリーナで3回戦!
会場はまるで有明コロシアムのように思えるくらい日本の応援団でいっぱいでした!
「苦しいときほど、笑ってごらん!」