日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2013年10月02日報道ステーション ドッジボール日本一へ~小学生たちの熱き戦い
今回取材させていただいたのは、「ドッジボール」。
ドッジボールといえば、みなさんも一度はしたことがあると思うのですが、
中学校に部活はありません。もちろん、プロもありません。
ただ、全国大会に向けて、本気になってこのドッジボールに取り組んでいる小学生たちがいるのです。
全国大会だけに設置されるカラーコートと呼ばれる舞台は、小学生たちにとって憧れの場所。
この夏子どもたちは、このカラーコートにすべてをかけていました。
競技ドッジボールは、1チーム12人で内野と外野に分かれて戦い、
最終的に、内野に残った人数が多いチームが勝利します。試合時間はたったの5分。
最も特徴的なのが守備で、横一列になってコートを移動するのですが、
このフォーメーションを組むことによって、たとえボールをはじいても、味方がしっかりカバーしてくれる。
ドッジボールで何よりも大事なのが、この「キャッチ」なんだそうです。
全国大会の2週間前、僕が取材に訪れた全国大会常連の強豪、群馬県代表の「佐野小ファイターズ」でも、
ひたすら行なっていたのが、この「キャッチ」の練習でした。
その中で、高校生が放つボールをことごとくキャッチしていた少年が、6年生の吉田悠真くん。
しかし、夏が始まるほんの数ヵ月まで、悠真くんはチームの足を引っ張る存在だったそうです。
小学3年のときにドッジボールを始めたのですが、決して運動神経がいい方ではなく、
5年生になっても、ボールを怖がって後ずさりするばかりだったという悠真くん。
今年3月に行なわれた全国大会では、5年生で一人だけカラーコートに立てず、
「悔しすぎる」経験をした悠真くんは、あえて困難な挑戦を決意し、
司令塔とも言える守備の真ん中「センターポジション」に志願したそうです。
そこから努力の日々が始まり、毎朝5時に起きて、近所の神社で自主練習。
バスケットボール経験のあるお母さんにボールを投げてもらい、徹底的にキャッチを磨く。
さらには、家でも、お母さんからビックリするほどの至近距離で投げられたボールをキャッチ。
4ヵ月間、休むことなく行われた練習の成果が徐々に出てきて、
佐野小は県予選を勝ち抜き、見事夏の全国大会への出場を決めました!
全国大会のカラーコートには、センターポジションとして出場した悠真くんの姿がありましたが、
初めての大舞台だからか、予選リーグでは、普段なら捕れるボールがことごとく捕れない。
チームは決勝トーナメント進出を果たしたものの、決勝2回戦の試合ではスタートから猛攻をかけられ、
相手チームにリードされるという苦しい状況でしたが、
そんなときに相手チームの剛速球を見事キャッチしたのが悠真くんでした。
努力が実を結んだ瞬間です。
このキャッチがチームに勢いをもたらし、試合の流れを変え、佐野小は見事ベスト8進出!!
続く準々決勝で、惜しくも負けてしまいましたが、憧れのカラーコートですべてを出しつくした子どもたちに、
心から拍手です!
試合後に、心がどのくらい変わったか聞いてみると、
「昔と全く変わりました。別人みたいに。成長したと思います」との答えが。
悠真くんは、ドッジボールを通して強くなった。
練習の中に、100本キャッチできるまで終わらない「100キャッチ」という練習があるのですが、
去年の100本キャッチでは、全然捕れない、怖くて後ずさりする、逃げる、そんな状態だったのですが、
今年の100本キャッチでは、剛速球でも捕る、逃げない、ガッツポーズや声も出す。
そして、最後の100本目では、なんと一歩前に出て、見事ボールをキャッチしてガッツポーズ!
お母さんが、「これで心の土台ができた。これで大丈夫」とおっしゃっていたのが印象的でしたね。
年齢に関係なく、何かに打ち込む、本気になって一所懸命取り組むというのは、
自分を変えられるだけでなく、周りにも勇気を与えられるということを改めて実感しました。