日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2012年09月27日報道ステーション アーチェリー女子団体~ロンドン五輪で史上初の銅メダル
今回取材させていただいたのは、ロンドンオリンピックで史上初の銅メダルを獲得した女子アーチェリー団体のみなさん。
日本代表は、2009年の全日本チャンピオンの蟹江美貴さん、
競技歴わずか5年で日本代表入りした川中香緒里さん、
そして韓国から帰化した絶対的エース、早川漣さんの3人です。
直径1m22センチの的を狙うアーチェリーですが、
最高の10点の直径は、わずか12.2cm。
そして、この的を狙うのは、なんと70mも離れたところから!
この位置からだと、10点の的は見えませんよね、きっと。。。
僕も、アーチェリーの弓を引くのに挑戦してみましたが、力がいります。
弓を引くのでさえ大変なのに、70mも先のわずか10cmちょっとの的を射抜くのは至難の業。
それに、ただ弓を飛ばせばいいというわけではありません。
そこにはいろいろな条件があって、まず立ちはだかるのが「風」。
風によって矢が流されてしまうため、常に風向き、風速を計算し、
雨のときには、さらにむずかしい状況の中で矢を放たなければなりません。
ただ、そんな様々な条件のもとでも、正確に的を狙うために必要なものが「平常心」。
ほんのわずかな心の乱れでも狙いを外してしまう繊細な競技なんです。
アーチェリー大国の韓国で英才教育を受けた早川さんは、
韓国代表に選ばれることなく、挫折を味わいながら日本の大学へ進学。
大学に通いながら、アーチェリーを続けてきました。
そんな中、早川さんの気持ちに変化をあたえた何気ない言葉と出会い。
それは、韓国で4位だと怒られるけど、日本だと「よく頑張ったね」「次頑張ろうね」と言われること。
そして、プレッシャーをあまり感じることがないという蟹江さん、川中さんとの出会い。
二人を見ていると、本当に自分が好きでやっている感じがするんだそうです。
このできごとが、エースの早川さんに新たなアーチェリー観を抱くきっかけとなり、
その結果、ロンドンオリンピックで普段通りにできたことが、メダル獲得の快挙につながったんでしょうね。
この3人のみなさんを見ていると、アーチェリーをやっている人は、
みんな笑顔でいられると思ってしまうかもしれませんが、
今回お話をお伺いして、アーチェリーがこれほどまでに繊細かつ奥深く、
メンタルに大きく大きく左右される競技なんだと知りました。
日本は、オリンピックという大舞台でも、どの国にもない心理状態で戦えていた。
それは、アーチェリー王国で育った早川さんと、プレッシャーなく試合を楽しめた蟹江さんと川中さんの組み合わせが大きな力になった結果だと思います。
さぁ、次のリオでは、イヤでもメダルのプレッシャーがかかってくるはず!
そんな中でも、競技を楽しみながら、メダルを獲得してくれることをこれから楽しみにしております!