日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2012年01月25日報道ステーション ポセイドンジャパン~水中の格闘技「水球」
強靭な男たちが熾烈な戦いを繰り広げ、「強烈」「豪快」という言葉がピッタリの水中の格闘技「水球」。
今回は、その日本代表選手のみなさんを取材させていただきました。
日本代表についた愛称は、ギリシャ神話の海の神の名前をとって「ポセイドンジャパン」!
水球のルールは、1チーム7人、試合時間は8分×4ピリオドの中で、より多くのゴールを奪った方が勝ちです。
1900年の第2回パリ五輪のときに、サッカーなどと共に団体競技として初めて採用されるなど、
その歴史は古く、ヨーロッパではプロリーグも盛んで、絶大な人気があります。
今、その水球の日本代表がすごいんです。
鍛え抜かれた肉体は、平均身長183cm、平均体重85kg。
昨年7月に上海で開催された世界水泳では、世界11位と躍進し、
堂々のアジア勢トップの成績をおさめました!
今週末に開催されるロンドン五輪アジア地区予選で1位になれば、
1984年のロサンゼルス五輪以来、実に28年ぶりの五輪出場決定です。
最終調整中の日本代表選手を訪ねたところ、そこには衝撃的な練習風景が!
なんと15kgもの重りを頭の上に持ち上げて立ち泳ぎをしているんです。
これは水中で体を浮かせるために、足を鍛えるための練習で、
両足を回転させるように動かすのが、水球の一番の基礎となる「巻き足」。
僕も水泳をやっていたのでできるのでは?と挑戦してみましたが、、、結果は散々でした。
なす術なし。。。
これは、人間では無理なような気がしましたね。
しかも、選手たちは、この巻き足で、足のつかない水中にもかかわらず跳び上がるようにしてシュートを放つ。
そのスピードは実に時速79km!それだけではありません!!
前にも言いましたが、「水球」は水中の格闘技。
試合中には、相手チームからの「ひじ打ち」や「パンチ」「かみつき」「頭突き」といった激しい妨害があります。
そのため、相手の動きを制するための「アニマル」という練習もします。
一見取っ組み合いや喧嘩をしているようにしか見えないのですが。。。
僕も軽く組んでもらいましたが、この練習もまったくなす術なし。。。
ただ、日本人としては恵まれている体格の代表選手ですが、やはり世界トップクラスの選手となるとさらに大きい。
日本チームが抱えている永遠の課題、それが決定的とされる「体格の差」です。
その不利を覆すため、チームで一番取り組んできたのが「判断力」の強化。
その結果、相手の目線まで細かく見て、パスの流れや相手の先を読める選手が増えました。
さらに、その高い判断力をさらに強化するため、2年前から日本代表メンバーを固定し、
全員が同じイメージを共有し連動するまでミーティングを何度も何度も重ねてきたそうです。
「イメージを共有し連動する」、チームスポーツには一番大切なことかもしれませんね。
取材させていただいて感じたのは、ポセイドンジャパンは本当に同じ人間なのか?ということ。
まさに「超人」の集まりでした。
水は普通つかめないんですが、選手たちは水が壁になるって言うんです!
しかも、本当に水を壁のように蹴って跳び上がるんだからすごいですよね。
取材のとき、青栁さんが胸にテーピングをしていたので、伺ってみると、
実は青栁さん、あばら骨を骨折していたんです。
でも、今の日本代表で骨折くらいで大事な試合に出場しない選手なんて一人もいないという答えが。
それだけ、選手一人ひとりの想いがとても強いんだなと思いましたね。
こんな激しいスポーツで、世界と戦えるまでに躍進した「ポセイドンジャパン」の最大の立役者が、
キャプテンの青栁勧(あおやぎかん)さん、31歳(写真左)。
小学3年で水球を始め、18歳で当時史上最年少の日本代表入りし、
20歳からは本場ヨーロッパでプロ選手として活躍しましたが、
なかなか日本の水球界が発展していかないという現状を受け、
モンテネグロの名門チームからの誘いを断って、2009年に帰国。
翌年には新潟県にクラブチームを設立し、働きながら水球続けられる環境を整えました。
青栁さんからは「今の日本代表は今までに比べてずば抜けて強く、選手みんなが自信に満ち溢れている」という力強い言葉をいただきました!これからのポセイドンジャパンの活躍に注目です!!