日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2011年07月14日報道ステーション メジャー制覇への”改革”〜石川遼選手3度目の全英へ
僕は今、全英オープンゴルフの取材のため、イギリスに来ています!
今回は、全英に3度目の挑戦となる石川遼選手にしっかりとお話を伺いました。
遼さん、この1ヵ月で大きく変わりました!
プロ転向1年目の17歳で優勝を飾り、2年目には4勝をあげ、
史上最年少18歳で日本ツアー賞金王を獲得!
と、華々しいデビューを飾った遼さん。
今年も現在のところ日本賞金ランキング1位ですが、今季はまだ優勝なし。
今季は特にパットに悩まされているんだそうですが、そのパットの不調について伺うと、
「何も知らないままここまで突っ走ってきて、4年目になって、
どうしても“勝ちたい、勝ちたい”という気持ちが今までより強いんですが、
まだまだ勝とうと思って勝てるような実力はついていないし、
自分の中で毎年毎年うまくなっている確信はすごくあるけれど、
その反面まだ勝てていなくて、自分では“石川遼苦しんでいるな”って感じです」とのことでした。
消極的な態度を示す遼さんを今まであまり見たことがないので、
本当に苦しかったんだなと思いましたね。
ただ、苦しんだ分、成長した遼さん。
「もう1回自分を見つめなおしたら?」といって、目を覚まさせてくれたような感じなんだとか。
そして、先月開催された全米オープンで、パットの練習中にふと気付いたことで不振脱出のキッカケをつかんだ遼さん。
「今までは打ち方にとらわれていて、入らないのは絶対に打ち方が悪い」って決めつけていたんだそうです。
そして、左手1本で打ったり、右手1本で打ったり、スタンスを変えたり、
色々な練習方法を試してみたそうですが、結局そういうことではなくて、大切なのは、
「今から自分がどこに打とうとするのか」ということ。
そこにほとんどの集中力を注ぐようにしたそうです。
そして、苦しんだ末に編み出した驚きの練習法があるんです!
それは、カップの前にティーを刺して、カップを2等分にし、
ティーの左側から、また右側から入れるんだそうです。
カップが半分に仕切られているので、カップに入れるためには、
ボール1個ギリギリのスペースしかなく、ミリ単位の誤差しか許されません。
より高い集中力が要求されますよね。
でも実際コースに出ると、もちろんカップの前にティーはないので、
その倍くらいの広さの誤差があってもカップに入るというわけ。
コース上では、カップが大きく見えるそうです。
先月の全米オープンでは、あれだけ苦しんでいたパットが次々と決まり、
最終的には、自己ベストの3アンダーで終了。
そうなると、やはり全英オープンでの遼さんの活躍も期待してしまいますよね。
今の遼さんのお気持ちを伺ってみると、
「一番はやっぱりありきたりですけど、“あきらめない”ということ。
これから打つパットが、3打目であろうと7打目であろうと“同じ集中力”を注いで打つ。
何が起こるか分からないので、1打も気を抜かないことですね」
という答えが返ってきました。
気持ちの強さを感じましたね。
それに、今回僕は、現地入りした後の遼さんの過ごし方にビックリしたんですが、
なんと、こちらに来てから毎日テニスをしているんだそうです!
正直、傍から見たら、テニスじゃなくてゴルフの練習をもっとした方がいいんじゃないかと思うはずですが、
逆にそこがいいんですよね。特にメンタル面で。
実は、僕もウインブルドンの試合前に、ゴルフをしていたんです。
通常は、現地入りしたらテニスだけに集中して「もっと練習しよう、もっと練習しよう」と思うはずですが、
結局それが焦りにつながったり、自分を追い詰めることになってしまったりするんです。
僕にとってゴルフは、広いし、ボールも止まっているし、相手もいないし、
テニスとは全く違った視野で見られるので、
自分の競技、僕の場合はテニスを新鮮に感じられるんですよね。
そのため、本番に理想的な心理状態で臨むことができるんです。
でも、僕はこういう状況をつくれるまで8年以上かかったんですよ。
遼さんはまだ19歳!
ほんとに信じられないですね。
今回遼さんを取材させていただいて、本当にいい笑顔をしていました。
自分自身としっかり対話できている証拠ですよね。
近い将来、遼さんは、メジャーの大会で絶対に勝つ選手だとより強く感じました。
一回り成長した遼さんの活躍が、全英オープンでも見れるはずです。
僕も現地から熱い戦いをお伝えいたしますので、みなさんお楽しみに!
修造