日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2019年06月05日圭、完敗、だけど、乾杯!

全仏オープン男子準々決勝 錦織圭1-6,1-6,3-6 ラファエル・ナダル

ナダルは最初から攻撃し、圭に一瞬の隙も見せなかった。そのくらい、ナダルは圭封じに徹していたように思える。ありとあらゆる攻撃を完璧なまでに仕掛けてくるナダル。

1ポイント1ポイント全力でプレーし主導権は自分だと言わんばかりのプレーで、圭を左右に大きく振り、しっかりと構えて打たせてくれない。

守っていては決して勝てる相手ではない。早い段階で主導権を握っていかないと、一瞬のすきもの見せれない、逃せない、ナダルとの対戦はそのくらい集中しなければならないと改めて感じた試合だった。

ナダルのボールは回転が速く、そして、その回転量が半端ない。だが、そのボールをバランス崩さず打ち返すことが圭のテニスならできると知っているナダルは、どうにか圭を左右に振ってバランスを崩させて強打してくる。ナダルの圭対策は完ぺきだった。それでも何とか打ち返す圭だったが、回転量があるボールをタイミングよく毎回毎回打ち返すことは、たとえ圭でも至難の業だったに違いない。

セカンドセットにブレークバックの場面もあり、そこからベースライン内に入って積極的に攻撃。試合を通して、圭がバランスを崩さずタイミングよく打ち返す攻撃でポイントを奪う場面もあったが、何回も続けさせてくれないナダルは、外に大きくはじくカウンターで圭を一撃。

終始苦しんでいた圭。3、4回戦のフルセットの激闘で、圭の右肩から肘にかけて相当な負担がかかっていたのだろう。トレーナーを呼んではマッサージを受けていた。

3セット目に入ってから徐々にRoland Garrosの空が暗くなってきたようだ。テレビではわからなかったが、解説を聞いているとボールが見えにくくなるほど空が暗くなったようだ。

第6ゲームが終わったところで雷雨予報のため約1時間の試合中断。この中断が圭にとって恵の中断になることを僕は願わずにはいれなかった。

試合再開はナダルからのサーブでお互いにキープで始まったが、最後はナダルの回り込みフォアで攻撃され、圭の全仏が終わった。

圭も攻撃できる場面を逃さず、バリエーションをつけて攻撃していたが、やることが最初から最後まで徹底していたナダル。クレーの王者はどんなに自分が有利になろうとも、テニスも気持ちも緩めることはなかった。見事だとしか言いようがない。

この全仏を通して、圭のフォアが戻ってきたのは確かだ。あとはサービスの精度を上げていかなければならない。圭が壁をぶち破っていくにはこのサービスの精度が大きなカギになることは間違いない。

圭、悔しいだろう。だからこそ、その悔しい思いを消しさってくれるほどの『タフ』な心とプレーで必ずその壁をぶち破ってくれ!

ナダル相手に、今度は体がフレッシュなとき戦おう。
完敗だったけど、全仏オープン奇跡の粘り勝ち、圭の頑張りに乾杯!