日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2015年03月02日錦織圭選手 世界ランキング第4位に!
全豪オープンテニスではベスト8まで進んだものの、錦織選手を含む新勢力は、
まだまだビッグ4には太刀打ちできない…そんな記事が世界中にとんだ。
しかし、2月に入って圭の勢いは止まらない。
錦織圭選手が世界の4位に。
この“4”という数字を皆さんはどのように感じますか?
僕は一応、プロテニスプレイヤーとして世界で戦ってきた。
しかし男子日本人選手が世界の4位になるということを表現してみろと言われても、
言葉で表せないし、説明もできないくらいの快挙であるとしか言いようがない。
何かと比較することもできず、何かに例えることもできず、ずーっと考えても出てくる答えはただ1つ。
それは・・・
男子日本人選手が世界4位に入ることは想像もできなかったが、
錦織圭選手が4位になることは予想できた。
それだけ、11歳からみてきた錦織選手は跳び抜けていた。
正直、僕が生きている間には出会うことができないであろうくらいのテニスの才能の持ち主だ。
ただ、天才だけでは4位には入れない。
そこには底知れない努力があった。
それは、圭だからこそ、天才だからこそ、よりトップに辿り着くまでは、精神的にタフに頑張らなければならなかった。
実は、メンフィス、アカプルコの大会での試合を見ている間、知らないうちに僕の眼から涙が出てくることが数回あった。
この2週間で何回泣いただろう。
年を取って涙もろくなったのか?
いや違う。
小学校6年生で島根からでてきた圭。
誰よりもシャイであり、体力的にも合宿に参加した選手で一番弱かった。
その彼が今世界のトップの舞台で戦い、勝ち抜き、そして世界を魅了している。
圭の頑張りにただただ感謝、ありがとう、そして昔偉そうにしてごめんね…という思いが重なってしまう。
しかし、昨年の全米オープンからの快進撃は“早い、早い、早すぎる”
それくらいの勢いで世界ランキングという階段を駆け上がってきた。
今年になり、世界中から注目を集めるなか、しっかりと結果を残し着実に前に進んでいる圭。
メンタルが本当に強くなったとしかいいようがない。
この2大会、観ていて明らかに相手が変化してしまう時がある。
それは、圭がギアを上げたとき。
相手はどうしようもない状態になってしまうことだ。お手上げ状態になるということ。
だから、アカプルコ大会の準決勝、2メートル4センチのアンダーソンに対し、
ファイナルセットでいきなりサービスゲームをブレークされても、圭がギアを上げればすぐに挽回できる。
その圭のギアを上げた時の恐ろしさも相手は感じているからこそミスもでる。
まさに、横綱級のテニスになってきているのだ。
今後、よりギアを上げ続けられる選手になったら?…それを想像するだけでワクワク感が止まらない。
ちょっと待った!ワクワクしていないのは、僕のこの感情が入りすぎ文章を読む人たちだぞ!
「長い、うざい、熱苦しい・・・」
では、皆さんをクールダウンさせてみせるぞ!
僕は、日本人だ。そして圭を11歳のころからみている。
正直、ひいき目で見ているように感じているかもしれない。
であれば…
僕が日本人ではなく、海外のテニス解説者であれば、世界4位の錦織圭をこう捉えるであろう。
では、これから、松岡修造ではなくなります。
SHUZO MATSUOKAはKEIのことをこのように表現する。
KEI NISHIKORIは、世界の男子テニス界を変える!
そしてSHUZOは、KEIのことをこう記事に記すであろう。
『いよいよ長きにわたって君臨してきたビック4の時代が終焉をむかえる。次世代の筆頭に現れた日本のNISHIKORI。178センチ、世界の中では小柄ながら、想像力テニス、そしてフルセット勝率歴代1 位という勝負強さを武器に、近い将来間違いなくグランドスラムで優勝する選手だ。
一番の魅力はそのテニス。
世界の誰もが憧れるテニス。コートの内側に入り、相手を自由自在に攻め崩し、どんな相手でも、どんなサーフェイス(コートの種類が変わっても)でも“KEI WORLD”に舞台を変えてしまう。
これから世界が目指すべきテニスは、まさにKEIだ。
また、KEIは今までのトップ選手の中でも、もっとも不思議なメンタルの持ち主でもある。
全豪では世界5位にいることに関し、“居心地が悪い”、“できたらあまりランキングをあげたくない”…などと言っている。
また、アカプルコ大会でランキングを上げたことについて質問されても、“申し訳ないがなんとも思っていない”などと答えていた。
本来、前向きな発言が当たり前のトップ選手たちの中、ここまで正直?なコメントを伝える選手もいないだろう。
しかし、そこが魅力なのだ。KEIにとって世界の4位になっても、今の段階ではまだまだ変動する状態。
ゆるぎないポジションを得た時に、「勝てない相手はいない!」という以前語ったようなKEI Wordがでてくるであろう。
日本人の、相手を気遣う“おもてなし”や“おもいやり”精神がそうさせているのであろうか?
ただ、日本人にはゆとり世代というものがあり、KEI自身も“僕はぎりぎりゆとり世代”というコメントを、20年前に男子日本人選手で世界ランク46位だった松岡修造に対しコメントを残している。
まさにコメントも、そしてテニスもゆとりをもった
ゆ と り プレイヤー
そのKEIが、あと崩さなければいけない壁は、
ノバク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダルだ。
この3選手は別格と言っていい。
ただ、テニスにおいてはKEIの方が上だ。これからは、トップに立つという自信と経験が必要になってくるであろう。
KEIには、日本人ならではの「ゆとり」という武器がある。
ゆとりを辞書で調べると「無理なく、余裕があり、窮屈でない状態。」
これから凄まじいプレッシャーが選手からも周りからもかかるなか、
まさにゆとりには、KEIが世界一に行くための大事な要素が含まれている。
そして世界中が注目するKEIの次の戦いは国別対抗戦、そうデビスカップが控えている。
あのKEIとの永遠のライバルとも言われているミロシュ・ラオニッチが待ち構えるカナダとの戦いだ。
実はバンクーバーで行われるデ杯戦を日本でWOWOWが生放送するそうだ。
解説陣の中には、元世界ランキング46位の松岡修造がいる。
KEIの元師匠ともいわれている松岡修造だが、今では全く立場が変わり、松岡修造の師匠がKEIとなっているようだ。
松岡修造はその師匠の解説をしながら、沢山のことを学んでいくことになるであろう。
そしてそれは日本のテニス界に受け継がれていくことになる。
これから日本はKEIから目が離せない!
まさに日本は…
EVERYDAY KEI !
まいにち圭! 訳 松岡修造 』