日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2020年01月20日2020年最初のグランドスラムである全豪オープンテニスが開幕!
2020年最初のグランドスラムである全豪オープンテニスが開幕しました!
19日夜に成田を出発、20日朝にメルボルン到着。空港からホテルに荷物を置いてそのまま会場に向かいましたが…会場について驚いたのは、入場するだけですごい列になるくらいの人の多さ。しかも、日本人の観客の多さびっくり!本戦には日本人男子4名、女子3名が本戦入りしていますから、日本の観客の皆さんも期待が大きいですよね。
…ということで、センターコートのオープニングマッチは、全豪女子シングルス覇者、大坂なおみ選手が登場しました!
大坂なおみ 6-2,6-4 M.ブーズコバ(CZE)
なおみさん1回戦、僕が感じたことをお伝えします。
◆なおみ心の成長
昨年の全豪後から、メンタルがタフな1年だったが、彼女自身も「昨年は若かった。コートに出ていく若い子供だった。」と答えている。それだけ、勝たなければいけないというプレッシャーに押しつぶされてしまっていたのだ。
そのなおみさんが「今は勝つことも大事だけど、プレイできることに感謝することに目を向けることができている。」と言っていたが、今日の試合でも、自分のテニスができない場面もあったが、それでもしっかりと取り戻す。まさに今日の試合はなおみさんの心の成長が垣間見えた試合でした!
◆なおみスマイルでありがとう!
笑顔を自ら作って、前向きにプレイしている姿は素晴らしかった。何度も何度もうなずきながら、なおみさんは心の捉え方や表現の仕方、全てに対してマイナスに行きそうな場面でも前向きにプレイすることができていた。
◆凡ミス28本/エース29本
この数字を見てもわかると思いますが、アップダウンの激しかった試合。そんななかでも、心のコントロールだけは乱さずにプレイできていた。相手は世界ランキング59位のM.ブーズコバ(CZE)。どんなボールも食らいつく攻撃的な選手でパワーもあり、ゾーンに入った時は怖い選手だ。
でも、なおみさんが今日、一番輝いていたのは…
◆サービス
ブレークポイントの大事な場面で光っていたのは、サーブ、しかもエースが決まっていた。
エース7本
なおみさんのテニスは、6割くらいの出来だった。緊張からくるものだったのだろう。
初戦の硬さはどんなトッププレイヤーでも訪れる。オープニングマッチであればなおさらだ。力めば力むほどボールは飛ばなくなる。そして、いつもなら簡単に決まるボールでも、考える時間が増え、そしてミスに繋がる。第1セットを6-4で奪い、セカンドセット2-4と劣勢に立たされる。相手サーブ30‐15…そこからのなおみ快進撃。リターン、サーブ、動き、全てにおいてなおみエンジンが全開に。
全豪連覇に向けて、なおみさんの初戦は良い滑り出しができたと僕は感じました。
西岡良仁 6-4,3-6,6-2,7‐6(7-1)L.ジェレ(SRB)
日本男子で今一番勢いに乗っている西岡良仁選手も第一試合に登場し、全豪4年連続1回戦突破を果たしました。素晴らしいスタート!
そんな良仁でも、試合後のインタビューでは、「今年はオリンピックを考えすぎてしまって、最初は硬くなってしまった。オリンピックに出たことがないので…やはり出たいですね。」
ジェレとはジュニアの頃から戦ってきた選手なので、お互いに負けたくない!という気持ちが強かったそうだ。互いにブレークしながら取れそうでとれないゲーム、どちらに転んでもおかしくない場面が多かったが、最後は良仁がタイブレークをしっかりと取って勝利。「今年の西岡良仁選手はとんでもないことをやってくれそうだ!」そんな気持ちがあふれてくる試合だった。
◆イマジネーション良仁テニス!
背丈170㎝、回転、スピード、場所、いつも変化させながら相手に思うようなプレイをさせない。しかも良仁のテニスは常に進化している。特に角度のついたショットからどんどん攻撃テニスを披露。
◆世界のテニスファンが魅了する良仁テニス!
良仁のテニスは単調ではないからこそ応援したくなる。同じショットを2度打たないし、スピード、回転、空間と立体的なテニスを繰り広げ、ドロップショット、アングルショット、エッグボール、すべてのショットを操る。引き出しが多ければ多いほど、考えるテニスでその状況に合わせたショットを織り交ぜてくる。だからこそ、世界の観客からも西岡選手は愛されるのだ。
◆自分を信じる良仁テニス!
良仁は素直に自分のテニスに対して自信を持っている。本気でトップ選手に勝てると思ってプレイしている。現に20~50位台の選手との試合での勝率が高い。相手に操られず、自分から相手を動かしていく戦術を自分のものにしているということは大きなアドバンテージだ。
オーストラリアは昨年9月から森林火災が深刻化していて、多くの自然、そして動物を失っている。ここメルボルンも風向きや天候によって空気の影響は大きい。普通は大会で雨が降ると試合が中断したりと、雨はあまりいい捉え方はされないが、今回ばかりは雨が降ると空気が澄んで恵みの雨となっている。
5年ぶりの全豪オープンテニス、!ウィークだけの解説だが、久しぶりの全豪を楽しもうと思います!